蛙の青春 2
その「2年間」が「それはそれで素晴らしい」ものだったというのは、勿論、四十数年を経た今だから言えること。
この時、蛙は人間として「ぶっ壊れてしまった」のだ。
「見晴るかす地平の向こうには輝く未来が・・」などという、子どもらしい『思い込み』が失われ、底知れぬ深い闇の中を堕ちていく、そんな感覚が体を硬直させていた。
今で言う「ひきこもり」とか「鬱」というような風で、友人に連れられて阪大の精神科へ行った記憶がある。詳細はどこか霧の向こうにおいてきたように不分明だが...
それが何故「素晴らしい」と言えるかと云えば、一つには、もし「壊れぬまま」今に至っていたら、きっと、とても厭な人間になっていただろうということがある。
自分の言動が他者を傷つけることがあったとしても、そんなことに無頓着な人間であったのだから...
また二つには、少ないけれど、自分を護り育ててくれた素晴らしい友人や先輩に恵まれたことがある。
三つには、ホンモノの「唯物論」や「弁証法」を教えてもらったということもある。
これらのことは「今」だから言えること。
今では「生きていてよかった」と思えるようになったけれど、この後、「死ぬこと」ばかり考えていた5年間が始まる。
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