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名前

漱石さんチの猫には名前がまだないらしいけど、ウチのには立派なのがある。
「怪傑豪傑」。通称、「カイ」君。
息子が学生時分、下宿先で保護したノラなんだけれど、連れ帰ってきて「部屋猫」として、もう6、7年になるようだ。
「9条をまもろう」てな新聞一面広告にだって、その名は載ったりしてる。
これは「市民運動」なんだから、猫が名前を連ねるのはルール違反かも知れないが...
「カイッ!」って呼んだりすれば、ちゃんと返事をする。

人間の場合、一人ひとりに固有の名前が付くようになったのはいつ頃からなんだろうか。
「私有財産」などという概念が生まれる前までには必須だったろうね。
「人間は社会的動物」てなことも言うけれど、猿とかミツバチやアリなんて、多分、他者から個を区別立てする必要性などないだろう。
「名前を持ってる人間」ってすごく不思議だ。

「姓名」などというのもごく最近に「ある」ようになったんだ。

自分の名前が「何野何兵衛」であるか、誰もが知ってるだろうけれど、大概、本人に断りも無く親が勝手に付けたもんなんだし、そのように名付けされる必然性なんて何も無い。

親の想いは大切にしたいとは思うけど、古い時代に「幼名」などというものがあったように、成人すれば、名前を変える、それも「自分で選ぶ」ってことにした方がいいと蛙は思うね。

生まれてから死ぬまで名前が一つってのは、支配の側の都合なんだよ。

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