「提言」批判 4
提言は「部落解放運動」が「戦後最大の危機に直面している」、水平社以来の「85年におよぶ輝かしい闘いの歴史も、このままでは地に堕ちることになりかねない」といい、「同盟が真に時代の要請に応える新しい運動の展望を切りひらき、人間解放の崇高な理念にもとづく活力ある組織として再生するために」「その方向性と課題」を示すのだという。
蛙も、確かに素晴らしい成果は受け継がれていくべきだとは思うが、このような肩肘張った「ものいい」には閉口する。
部落解放運動について、同盟の内外でのこのような評価は普通だけれど、「人間解放の崇高な理念にもとづく組織」という「思い込み」は、これまで、他の市民運動や社会的な運動との連携があまりにないがしろにされてきた直接の原因なのだと蛙は思う。
いかにも傲慢不遜な態度ではなかったか。
ひとり部落解放運動だけで、人間解放などというものが手繰り寄せられるはずもないではないか。
提言は、NGO・NPOや市民運動との協働に触れていないわけではないが、その表現として「さまざまな運動へ積極的に参加していく」となっており、それらの運動が「他者性」において捉えられている。
どうして「自らの課題として闘われなければならない」ということにならないのだろう。
「障害者」差別に反対する運動や民族差別との闘いの現場に、同盟は、その役割を果たしているだろうか。
それらの運動を主体的に担ってこそ面目躍如ということになるのだと思う。
でなければ、差別に反対をしていながら、同盟もまた差別者の側に転落してしまうだろう。
提言は、そのような視点に立てていない。
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